ピックアップの選び方 その2


んー...やっぱ難しいですね、この問題は。
自分のギターにイザピックアップを付けようとすると、見当も付かなくて悩みます。
ぶっちゃけ結論からいうと「やってみなくちゃわかんない」です。
ここでは、らくだのピックアップ取付の例を挙げて、それらの特徴と注意点等を見ていきたいと思います。

1. Highlander  IP-2, Internal Mic

ブリッジインサートタイプのリボントランスデューサーです。いわゆるインブリッジピエゾってやつですね。エンドピンジャック部分にプリアンプを内蔵したアクティブタイプです。
他のピックアップに比べて高価ですが、非常に高品質だと思います。
エンドピンジャックはステレオになっており、IP-2(内蔵プリアンプ経由)と、InternalMIC の出力を別々に得ることが出来ます。
モノラルシールドを使うと IP-2(プリアンプ経由) のみの出力となります。
らくだが取り付けたギターは 1999年製 Gibson DOVE (ノーマルブリッジ)です。

らくだが最初に購入したピックアップですが、このギター本体が持つきらびやかな音の良さを上手く引き出してくれています。
ピエゾ特有の音のクセはありますが、少なくとも私には嫌みは感じられません。
音域は若干高音側が上がってるような感覚ですが、これはレスポンスがいいからかもしれません。サスティンも生音に近いナチュラルな感じがします。

 取付・加工

ブリッジインサートタイプなので、穴を開けてそこから電線を通してやります。
エンドピンジャックを通してやるため、エンドピン穴を広げてやる加工が必要です。
InternalMIC はブレーシングにクリップで固定するだけですので、取付も位置の移動も加工要らずです。
このピックアップで注意すべき点は、ブリッジ溝の加工が必要なことです。
素子は非常に柔軟な素材で出来ており、断面が丸形の細い棒状です。素子自体が柔軟であるため、ブリッジ溝に密着するのですが、ブリッジ溝は角いので、角に隙間が出来てしまいます。
十分にピックアップに振動を伝えるためには、ブリッジ溝を丸く削ってやる必要があるわけです。バランスが悪い時等場合によっては、サドルの下面も削ってやる必要があります。
他のピックアップより手間や技術が要りますので、取付は信頼のおけるところに依頼しましょう。


2. B-Band  UST, A2, Condenser Microphone

ブリッジインサートタイプのリボントランスデューサーです。エンドピンジャック部分にプリアンプを内蔵したアクティブタイプです。
らくだが取り付けたギターは 1974年(?)製 Guild G-312 (12弦)です。
エンドピンジャックはステレオになっており、UST(内蔵プリアンプ A2 経由)と、Condenser Microphone の出力を別々に得ることが出来ます。
モノラルシールドを使うと UST(プリアンプ経由)のみの出力となります。

B-Band のピックアップの特徴は、何といってもその低音の豊かさです。
ピエゾのクオリティは十分で、低音と他のレンジのつながりも良く、普通にお勧めできるピックアップだと思います。
ただし、シャープで張りのある中高音を求めている方にはあまりお勧めしません。UST はピエゾでありながら低音を中心にパワー感のあるサウンドに特徴がありますので、その辺を理解した上で選びましょう。
以上とてもいいピックアップではあるのですが、ステレオ出力したときの両チャンネルのゲイン差が極端に大きすぎて、非常に扱いづらいです。不良品かと思ったほどですが、ショップ在庫のマイクに付け替えてみても同じでしたので、こういう仕様のモノなのでしょう。
B-Band を買おうと思ってる人でこのページを見た方は、ピエゾとプリアンプだけ買って、マイクは買わなくていいです。時間と金の無駄です。

 取付・加工

Highlander とほぼ同じですが、圧電素子は平らで細長いので普通に取り付けできます。
圧電素子の長さは十分で、私の幅広い 12弦ギターにも余裕で取り付けできました。ちなみに他のメーカーでは、12弦ギター専用の長い素子のものを販売しているようです。
なお素子は他社に比べ圧倒的に薄いプレート状で、振動をしっかり拾ってくれるとのことです。


3. Oval2

トレブル(中高域)用とベース(低音域)用の2個の圧電素子に、マグネットピックアップがセットになったものです。プリアンプを持たないパッシブタイプです。
らくだが取り付けたギターは 1995年製 Martin HD-28 Custom15 です。
エンドピンジャックはモノラルで、ギター内部にセットするコントロールボックスで各ピックアップの出力バランスを調整することが出来ます。
2個の圧電素子の音は、ピエゾであるとは信じられないくらい、とにかくナチュラルなサウンドが特徴です。
アタックにクセが無いので、マイク録りしたと言われても信じちゃうくらいです。
ただし、マグネティックピックアップのパッケージングは、サウンドホールに固定しづらく、ギタースタンドに普通に置いたぐらいでズレてしまいます。ライブで曲が始まる前にいちいちピックアップを固定し直すようでは、使い物になりませんね。
マグネットの音もかなりいいと思いますので、とても残念です。
→ その後この点は、ショップに相談したら改善されました。

 取付・加工

ギタートップの裏面に貼り付けるだけなので、取付は非常に容易です。
ギター本体に加える加工としては、エンドピンの穴を拡げるぐらいのものでしょう。ちなにみピックアップ取付レポがありますので、ご興味ありましたら こちら をご参照ください。
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