ピックアップの選び方 その1


偉そうなタイトルを付けましたが、残念ながら私はピックアップのことなら何でも知ってるってわけではありません。
ただいくつかのピックアップを自分のギターに付けたことがあるってだけなんです。
さらに、皆さんがお持ちのギターを知ってるなんてことはありません。
重要なのは、あなた自身が自分の好みに、そして自分のギターに合ったモノ選びをするということです。

使用目的

ショップに行って相談すると、恐らくこんなことを聞かれることでしょう。
漠然としていてもいいのですが、とりあえず答えられるように考えておくことは、自分が求めているのは何なのかってのをクリアにするためにもいいことですし、場合によっては余計なお金を使わずにすみます。
以下に挙げる例を参考に、自分はギターを使って何をするのか、どんな音を得ようとしているのか、どんなタイプのプレイヤーなのかを客観的に考えてみましょう。
  • 自宅レコーディング
  • ライブ
  • キーボードやエレキなどに混じってバンド・プレイ
  • ギター・デュオやトリオなど小編成のアコースティック・プレイ
  • ソロギターでフィンガー・ピッキング
  • ストローク中心の弾き語り
  • etc...

どんな音が好きかを考えておく

よく「好きなアーティストが使ってる機材と同じモノを買っちゃった。ミーハーでしょ?」って照れながらコクってくれる人がいますが、私は「アリ」だと思います。
同じ楽器を使っているからといって、決して同じ音は出せないことはみんな知ってることですよね。
でも何をしたいのかを明確に持てないと雲をつかむようなモンですから。

まずは仲良くね

楽器って、近所の肉屋でコロッケを買うようなわけには参りません。高価です。
長くつきあっていく相棒を選ぶようなモンですよね。
同じように、ショップ(スタッフ)ってのも自分のサポーターというか、ある意味パートナーであるハズです。
ギターのことなら何でも知ってるって人も頼もしいですが、まじめに一緒に考えてくれるスタッフの居るショップが理想です。(値引きやサービスをいっぱいしてくれるとかいうこととは違います。もちろんそれも重要だけど)
ギター選びと同じで「相性」ってのもありますね。
有名で高価なギターをたくさん置いていて店構えが立派なショップでも、ユーザーサイドに立ったモノの考え方が出来ないスタッフ(ショップ)からは、試奏はしてもモノは買いません。

たくさんの音を聴く

可能な限りたくさんのショップでたくさんのギターを弾いてみましょう。
ピックアップの内蔵されたギターって、たくさん発売されていますし、種類も豊富です。
スタッフの人に「ピックアップを選ぶために色んなギター(ピックアップ)を試したい。イロイロ教えてちょ」と相談しましょう。多分いろんなギターを出してくれるはずです。出てこないときは他のショップに行っちゃいます。
なんていうピックアップが入ってるのかや、ピックアップの特徴などをスタッフの方に聞いて、弾いてみてナマ音と比較します。
とにかく時間をかけてたくさん弾くことですね。
私の場合、あまりアレコレ弾いてると、だんだんわかんなくなってきます(笑)が、そういうときは日を改めてまた出直します。

また、ライブとか聴いてていい音に巡り会った時は、そのギターがどんなギターで、どんなピックアップが付いてるのか調べるのも、自分の欲しい音をハッキリさせるのに有効でしょう。

どのタイプを選ぶか

これは難しい問題です。
極論すれば、気に入って使うんでしたら何でもいいですね。
ただこれでは無責任すぎますので、私の日頃漠然と考えていることなど書いてみます。

まずは、大音量のバンドに混じってやる場合
アンプを介して大音量で楽しむバンドに埋もれやすいアコースティック・ギターですが、アタックのパリッとした(若しくはバリッとした)中高音のクリアなサウンド・キャラクターのものを選んで、プリアンプやイコライザーでゲインを補正してやると、バンド・サウンドに映えるサウンドになると思います。
選曲がハードなものが多いのであれば、コンタクト・タイプのピエゾとプリアンプをセットで用いるのが良いでしょう。
アルペジオやソロを多く取るようであれば、コンタクト・タイプかブリッジインサート・タイプのピエゾ、そして好みによってはコンデンサマイクをミックスしてやるのも、エア感が出てGOODだと思います。ただしこの場合はすんごくハウリングしやすくなりますので、サウンドホールを塞いでやる等、しっかり対策してやることが必要となります。

小編成のバンドやアコースティックデュオ等でやる場合
他のギターとのアンサンブルを考慮して決めます。
らくだの場合は、相方が音量と音域のレンジが大きいギターでストロークをガンガン鳴らすタイプで、私がメロディーやアルペジオなどを弾く必要があります。ですから、単音の立ち上がりの速い比較的硬めの木のギターを選び、ブリッジ・インサートタイプのピックアップを取り付けました。
このギターにはコンデンサ・マイクを内蔵しており、ピエゾとマイクのバランスを変えることでバンドやソロでのピッキングにも対応します。

ソロでやる場合
これは生音に限りなく近いトーンを追求するしかないでしょう。
コンデンサマイクタイプのものを取り付けるか、最近の良くできたマグネティックのものに専用のプリアンプを接続するのが理想に近い気がします。
ピエゾでも非常に生音に近いサウンドが得られるものが出てきていますので、お店でインストールされたギターがあれば、試奏させてもらうと良いでしょう。

予算のたてかた

出て行くお金はピックアップだけでは済みません。
ピックアップを取り付け、エンドピンジャック取付のための穴開け費用等の作業費や、イコライザ、プリアンプやダイレクトボックス等を接続する際はその購入費用、更にシールド(ケーブル)の値段も意外と馬鹿になりません。
それらの費用や納期をショップのスタッフの方によく聞いておきましょう。

ショップの選びかた

まず品揃えを見ますね、普通。当然品揃えの豊富なショップの方が優良ということになります。
それからスタッフに、それぞれの商品の特徴を聞いてみます。難しいことをごちゃごちゃ言わずに、分かりやすく説明してくれるショップの方が良いと思います。このとき、実際に取り付けられたギターの音を何種類か聞かせてもらえるとより良いですね。

ショップ(スタッフ)はプレイヤーである私たちをサポートしてくれる大切なパートナーです。
ですから、私たちプレイヤーはパートナーに対して感謝と礼の気持ちを持つべきでしょう。
反対に、どう考えても礼と感謝の気持ちが持てないショップはパートナー失格ということになります。

つぎへ